2014年サッカーW杯では、アプリダウンロードが1,000万にのぼり、1日に300万ものユーザーが、セカンドスクリーン*サービスで試合観戦を体験しました。
トーナメントが進むにつれ、さらに2,400万の新たなユーザーがコンテンツを視聴し、空前絶後のボリュームのデジタルメディアが視聴されました。
今号のニュースレターでは、全世界のスポーツファンにEVS社が独自におこなったアンケート結果を元に、スポーツソリューションの新しいビジネスモデルをご提案する「ファンを熱中させる非日常のスポーツ体験
~Return On Emotion~」を最新の事例とともにご紹介します。
*:セカンドスクリーン
スタジアム・イベント会場・テレビ・映画などをファーストスクリーンとして、それらを観ながら別のデバイス(PC・スマートフォン・タブレットなど)を観ること
スタジアムで観戦中に、試合のキーとなるタイミングで、何を視聴するかを自分で選択できるとしたら、どうでしょうか。
モバイル端末の普及により、視聴者は、いつでもどこでも、コンテンツを視聴できます。
適切なインフラ構築をおこなえば、マルチカメラアングルなどのコンテンツを、ファンが持つデバイスへ配信でき、特別な視聴体験を提供することが可能です。
スタジアムのスクリーンに映し出されるコンテンツは、ホームチームのディレクターの判断で提供されます。
しかし、適切なインフラ構築でコンテンツ配信が可能になれば、審判のコールがある度に、多数の異なるアングルのリプレイをファン自身が選択し、視聴・一時停止・巻き戻し・スローモーションで視聴できるようになります。 スタジアムのサービスを利用中に見逃したシーンを再視聴したり、ピッチやコート上のたった今起こったプレイを様々な視点から、より近くで視聴することで、ファンはさらに試合に集中するようになります。
これらの技術がさらに視聴方法を進化させ、ファンがもっと深く試合に入り込めるように、生態学的なデータ(選手の心拍数、酸素レベルなど)をコンテンツで視聴できるようになり、選手のパフォーマンスを測定したり、選手自身へのインパクトを知ることもできるようになってきています。
スタジアムのビッグスクリーンは、今や設置されていて当たり前といった設備になっています。
スタジアムでおこなわれている競技や試合前/ハーフタイムのエンターテインメント、選手/チーム紹介、リーグニュースなどのコンテンツは、スタジアム専属の制作チームがコンテンツを選択し、ハイライトを編集し、ビックスクリーンに映し出され、ファンの注目を集めます。
大抵のスタジアムでは、天井や壁に埋め込み型スクリーンを設置し、どこにいても視聴できるようになっているため、たとえば、ホットドッグを買うために列に並んでいて、スタンドから離れていたとしても、ファンは重要なシーンを見逃すことはありません。スタジアムの運用者はいつでもファンを試合に巻き込んでおくことができるのです。
最近のマルチメディア配信プラットフォームは、既に主なスタジアムや会場に設置されている、常設または中継車内の放送設備に簡単に連携させることができ、ハイライトやリプレイを素早く生成し、アプリの利用者への配信が可能です。決して複雑でもなく、コストが膨らむ話でもありません。
テレビでは放映されないハーフタイムのエンターテインメントなどの家の中にいては手に入らないコンテンツを、スタジアム内のファンに提供できます。このような配信を可能にするには、しっかりとしたネットワーク接続が必要です。
インフラの整備は、新しいスタジアム建設の際には始めから含まれており、既存のスタジアムでも進みつつあります。
最適なインフラを構築できれば、スタジアム内の設備で食べ物を注文して準備ができたらファンの席まで届けたり、アプリでグッズの注文/支払をおこない、帰り際に受け取るといったことも可能です。また、次の試合のチケットや他の会場のチケットもアプリで注文できます。このようなトレンドは、キャッシュレスになってこそ実現可能です。ブランド化されたアプリはロイヤルティを構築するうえでも最適で、さらに、ファンがもっと熱中するような個別の視聴体験を提供し、潜在する消費機会を提供します。
アメリカ合衆国およびカナダのプロサッカーリーグMLS(MajerLeagueSoccer)のスポルティング・カンザスシティは、18,500席のスポーツパークスタジアムを建築する際、強固なWifiの接続環境を構築し、ファンを熱中させるスタジアム体験を提供するサービスをおこなっています。その一つがプレイバックで、スタジアム内のリプレイや、試合中のイベントを直後にファンのスマートフォンに配信することができます。
このような動きはトレンドとなりつつあり、ネブラスカ大学のスポーツチーム“ハスカーズ”のサポートをおこなっている組織は、最新の87,000席のメモリアルスタジアムに、ライブ制作ワークフローを導入しました。このシステムでは、周辺のカメラ映像のコンテンツを、スタジアム内のスクリーンと、観客のタブレットやスマートフォンの専用モバイルアプリに配信しています。そして、2015年Wembleyスタジアムで行なわれたFACup決勝では、ホストの放送フィードからWembleyの超高速4G接続でモバイル端末に、直接リプレイやハイライトが配信されました。
技術革新があらゆる場所でのインターネット接続への期待をもたらしたのと同様に、いま、ファンを熱中させる観戦体験も期待されています。
デジタルスポーツの視聴が飛躍的に増えるなか、EVSの独自調査の結果を見ると、ファンのエンゲージメントを強固にするには、"モバイル端末"と"ソーシャルメディア"がいかに重要かを示しています。今日のライブイベントにおけるソーシャルメディアの役割を考えると、この二つの要素は相反するものではなく、一方が他方をサポートする関係にあります。
オンラインの視聴とソーシャルメディアの増加傾向は、ユーザーが作成するコンテンツの下地になり、これらのコンテンツにより、チームや選手とファンの"繋がり"をより強固なものにします。ファンが見たいと思う試合の最新情報だけでなく、同時に進行している他の試合の情報へのアクセスを可能にすることで、ファンの知りたい欲求を満たすことができ、目の前の試合をより深く観戦できるようになるのです。いま目の前でおこなわれているスポーツに繋がることで、ファンは自分の好きなクラブやリーグとの“繋がり”を感じ、クラブやスタジアムが提供するコンテンツを視聴するようになり、ファンを再び湧き上がる感動へ立ち戻らせることができます。
1週間のうちの特定の時間帯にアプリへのアクセスが増加すれば、クラブは販促用の広告やデジタルチャンネルを効果的に展開ができます。EVSの独自調査の結果、83%の視聴者が、モバイル端末のアプリでデジタルコンテンツを視聴する際の広告表示を許容しています。このように、ファンを満足させることで、クラブとスタジアムは、ファンのスタジアム滞在時間を増やし、消費機会を増加させることができます。さらに、アプリケーションとスタジアム設備やグッズを直接つなげば、ファンが購入しやすい環境を提供できます。収益をもたらす要因はこれだけではありません。アプリは、ライブやテレビでは見られないシーンの視聴体験を提供することで、クラブがリーチできる範囲を拡大します。たとえば、北アメリカのNHL(全米ホッケーリーグ)では、アプリで視聴期限切れの試合を公開しており、ライブストリーミングのビデオや、ライブのスタッツ、VOD、フッテージと、試合開催時には配信されなかった試合のアングルを、わずかな費用で提供しています。
さらに、ビッグデータを利用して個々のファンの趣向・好きなコンテンツを把握できれば、最適なサービスの提供が可能となります。フォーカスを絞ったマーケティングは、やみくもなアプローチよりもずっと効果的な方法です。
それぞれのチームやスタジアムが独自のビジネスモデルを模索する必要があるなか、ファンがコンテンツをどこでもいつでもアクセスでき、スタジアム内でコンテンツを配信できるプラットフォーム構築がもたらす潜在的な投資対効果は明白です。
今日のファンはオンラインでつながりを持ち、社会的にも活発にオンラインを利用しています。ファンはより多くのアングル、リプレイシーン、チームやプレヤー自身の情報を渇望しています。このようなサービスを実現することで、スタジアム内のエンゲージメントを提供し、湧き上がる感動へと回帰させ、更なる収益を生み出します。新たなライブ体験、ロイヤルティの構築と収益を結ぶこの線は必然です。
EVSは、このそれぞれの要素を結ぶEVSマルチスクリーンソリューション「FanCast」を提案します。
EVS「FanCast」は、EVSでの収録/制作を手軽に開始できるマルチスクリーンソリューションです。
既存の放送設備と簡単に連携できる「FanCast」は、ライブ/ニアライブの制作と配信を実現します。スタジアム内のスクリーンや観客のモバイル端末アプリ経由での配信が可能です。
フォトロンは、運用に必要な技術トレーニングやサポートをご提供します。
強力なパワーを持ち複数の放送チャンネルの収録を、多様なフォーマットで実現します。
ライブリプレイの短時間での制作を実現しハイライトやコンテンツの管理そしてメタデータの管理に最適です。
マルチアングルのビデオ配信を実現し、ライブストリームやモバイル端末へのスタッツ配信とスタジアム内のスクリーンへの配信を可能とします
今回のEVS独自の調査に使われた22の質問は複数選択式のアンケート形式で、スポーツファンの趣向と好みを計測するために作成されました。 回答者をランダムで抽出し、ファンにあらゆる会場でインタビューをおこないました。主要なスポーツイベントとスポーツバーや空港そして商業施設等。 5つのスポーツ(サッカー、バスケットボール、ホッケー、野球、テニス)を網羅し地域はドイツ、ベルギー、スペインとアメリカの3主要都市(ニューヨーク、シカゴ、ダラス)を網羅して実施。 回答は18歳以上のファンで、いずれかのスポーツの熱心なファン(あらゆるメディアにおいて週2時間をスポーツの視聴に時間を割く)であることを確認して進めました。 結果を作成する為、クロス集計及びカイ二乗分布の分析方法を利用しています。
2016年7月21日(木)~22日(金)の2日間、福岡国際センターで開催される『九州放送機器展2016』に出展します。
国内初出展の審判や熟練したオペレーター用に設計されたマルチアングルの審判判定用インスタントリプレイシステム「Xeebra」を出展します。また、6,8倍速等の複数HFRカメラとノーマルカメラを自在に制御可能な「XT3 Channel MAX」や、EVSクリップをノンリニア編集機に吐き出し即時編集、SDIポートを使わずMXF等のファイル素材を活用する「Xfile3」を出展します。ぜひフォトロンブースにお立ち寄りください。
6月23日(木)~24日(金)2日間、大阪初開催となる『関西放送機器展』に出展しました。
多くのお客様にフォトロンブースにご来場いただき、活発な意見交換・情報交換をさせていただく貴重な機会となりました。改めてお礼申し上げます。
6倍速カメラ2台+ノーマルカメラ2台/8倍速カメラ2台でスローリプレイを実現する「XT3 ChannelMaxサーバ」では、その圧倒的なパワーに多くの反響をいただきました。
また、多彩なエフェクトが可能なスポーツ解説ツール「Epsio Paint」のシンプルな操作感に驚かれるお客様が多く、『視聴者に楽しんでいただけるコンテンツ制作が期待できる』と、注目を集めました。
ファイル素材を従来の制作ワークフローにシームレスに組み込む「XFile3」は、中継後の素材送りの時間短縮や、アーカイブの効率化の可能性を真剣に話し込む場面もあり、出展の手応えを得ることができました。
6月20日(月)・21日(火)、新設したトレーニングスペースで「EVSトレーニング」を実施し、定員を超えるお申込みをいただいた回もあり、大盛況のういちに終了しました。
お客様のご要望が多かった「EVSテクニカルトレーニング」は、ご参加いただいたお客様からも非常に好評で、今後もみなさまのご意見を反映したトレーニングを企画・実施していきたいと、フォトロンスタッフ一同、気持ちを新たにした2日間でした。
「LSMオペレーショントレーニング」「テクニカルトレーニング」は、名古屋/大阪/福岡にて、2017年1月以降で開催予定です。ぜひご期待ください。
2016年6月2日(木)からの2日間、仙台国際センターで開催された『東北映像機器フェスティバル2016』に出展しました。
6,8倍速等の複数HFRカメラとノーマルカメラを自在に制御可能な、世界標準4K/HDビデオサーバ「XT3 ChannelMAX」、リアルタイムバックシステム「XFlyStreamer」を出展し、「XT3」内のクリップを「XFlyStreamer」を介して外付けHDDなどにリアルタイムにバックアップするデモをご覧いただきました。
ご来場のお客様からは『中継後実時間での素材吐き出しが不要になるのは大変助かる、今後検討していきたい。』といった声をいただき、EVSによるファイルベースワークフローへの関心の高さを実感しました。