角川大映スタジオ 様

Avid ISIS5000を核とするファイルベースワークフローで制作効率を向上

株式会社角川大映スタジオ(代表取締役社長:小畑良治/東京都調布市)は、2011年、既存の6つのスタジオに加え、新たなスタジオ棟とポスプロ棟をオープンさせた。
新設したポスプロ棟には、トランスファールームに「Avid MediaComposer MojoDX」「Avid MediaComposer NitrisDX」、オフライン編集用EDITルームに「Avid MediaComposer NitrisDX」、オンライン用EDITルームに「Avid DS Nitris」を導入している。

MA/ADR室やダビングステージ、サウンド編集室なども完備しており、「Avid ISIS5000」を核としたファイルベースワークフローを実現している。

ポスプロ棟新設に関わった 株式会社角川大映スタジオ 管理部 総務課 中村 一良氏、運用担当のスタジオ営業部 ポスプロ事業課 ポスプロ技術室 室長 森崎 好氏、山崎進氏、小柴 理恵氏、竹田 直樹氏に、導入から運用までを聞いた。

ISISで素材を共有して取り込み時間を短縮

角川大映スタジオでは、ドラマを中心とした映像の編集を行っている。テープやカード媒体(P2,XDCAMなど)で届いた撮影データを、DNxHD220x/10bitの圧縮レートで「Media Composer MojoDX」「Media Composer NitrisDX」で取り込み、「ISIS5000」に格納している。オフライン/オンライン編集用EDITルームは、「ISIS5000」とGigabit Ethernetで接続されており、全ての部屋から「ISIS5000」上の素材にアクセスできるようになっている。

4室あるオフライン編集用EDITルームには、「Media Composer NitrisDX」が1台づつ設置されており、ここでつなぎ編集を行った後、オンライン編集用EDITルームの「DS Nitris」で本編集を行い、MA/ADR室などで音響効果を入れて納品データにするワークフローとなっている。
『合成やカラコレの時に問題が起きやすいので、このスタジオでは、比較的高い圧縮レートを採用しています。この圧縮レートでの運用は、ISISサーバにそれだけのスペックがあるからだともいえます。』と山崎氏は話します。

オフライン編集を担当している小柴氏は、「ISIS5000」を核としたファイルベースワークフローについて、こう話します。
『4つのオフライン編集用EDITルーム全てが「ISIS5000」で繋がっているので、各部屋の「Media Composer」で同じプロジェクト/シーケンスが見える点が、すごく便利ですね。監督が入っている合間に、後ろで色々と仕込むこともできますし、1つのEDITルームで編集を行っていても、別の部屋で取り込みができるので、必要になった時にすぐ「できましたよ!」と言えるんです。ローカル環境だと、編集の方に部屋を空けてもらって我々が取り込みをして、と、時間の拘束や調整などがどうしても発生します。でも、今はどの部屋からも「ISIS5000」にアクセスできるので、スタジオを訪れる外部の多くのお客様からも、非常に便利だと高い評価を受けています。』

つなぎ編集においてのメリットを、森崎氏は笑顔で話します。
『今担当している番組では、撮影素材の取り込み作業に4日間確保しますが、状況によっては、2日間しか取れない場合もあります。そんな時は、シーン/ブロックで分けて前半/後半という風に、2人で作業を分担して最後に合成します。このように効率良く作業できるのも、「ISIS5000」を使っているメリットですね。』

オンライン編集を担当している山崎氏は、「DS Nitris」を使って、つなぎ編集が終わった映像を本編集している。
『つなぎ編集が終わったものが「ISIS5000」にアップされているので、すぐに本編集に移れるのは大きなメリットですね。オフラインとオンラインの垣根が段々無くなってきたと思います。ただ、これまで在籍していたスタジオではローカル環境で作業していたので、若干ですが、レスポンスの遅さが気になる時があり、本編集時には、「ISIS5000」からデータをローカルディスクに持ってきて作業しています。レンダリングまで終わった段階で「ISIS5000」に戻して、MA/ADR室で音響効果を入れています。
このスタジオに移籍して、サーバに素材が全部入っていて、どこのEDITルームからでもアクセスできることに驚きましたし、便利だと感じています。非常に恵まれた環境だと思います。外部から来たお客様に驚かれることもあります。』

オフライン編集担当:小柴 理恵氏

オンライン編集担当:山崎 進氏

ディファクトスタンダードのAvidとフォトロンのサポート力

Avidでファイルベースワークフローを構築した経緯や苦労した点について、ポスプロ棟新設に関わった中村氏はこう話します。
『1900年代にここが大映で栄えていた頃は、ポスプロ環境も持っていましたが、時代の流れとともに廃止されました。いつかポスプロを復活させたいという想いがあり、2011年のスタジオ新設を機にポスプロ棟を立ち上げることになったんです。オフライン/オンライン編集ともにAvid以外も比較検討しましたが、この業界ではAvidがディファクトスタンダードであるということと、ISISサーバとの親和性も含めてAvidでファイルベースワークフローを構築しようという結論になりました。
また、立ち上げに関わった編集マンが「Avid DS」を使っていて、フォトロンのサポートを非常に信頼していたのもあって、Avidでファイルベースワークフローを構築するならフォトロンに、と考えたんです。
実際にシステムの相談をしてみると、フォトロン営業の方も、現場の立場にたって一緒に考えてくれましたし、細かいスケジュール調整も柔軟に対応してくれて、「エクセレント!」でした。
立ち上げ時に一番悩んだのは、いくつシステムを入れるか?ということですね。どのくらいの仕事量になるか分からなかったので、最初は3部屋にしたのですが、仕事量の増加に伴い1部屋を後から増築したのですが、良い流れで構築できたと思います。』

今後について、サウンドエンジニアの竹田氏は、こう話します。
『MA室の「ProTools」は、セキュリティやレスポンスの問題もあってISISと繋がっていないので、セキュリティやアクセス権の管理、サーバ管理を行う人材の確保は、今後の課題だと思います。保守サービスのひとつに、定期訪問時のログチェックなどがあると嬉しいですね。あとは、作品をどう保管するかというアーカイブの問題も、今後考えていかないといけないと思っています。』
『今興味があるのは、やはり4Kのことですね。4Kカメラも出てきていますし、早くノウハウを掴みたいと思っています。』と山崎氏も展望を話します。

管理部総務課:中村 一良氏

サウンドエンジニア:竹田 直樹氏

(この記事は2013年09月27日時点の情報です)

株式会社角川大映スタジオ
1933年に日本映画株式会社の多摩川スタジオとして建設されたのが始まりの70年以上の歴史を持つ映画スタジオ。
2002年に角川グループに営業譲渡され、「角川大映映画株式会社」となった後、2011年にプロダクション事業/ポストプロダクション事業を開始した。

東京都調布市多摩川6-1-1
http://kd-st.co.jp

フォトロン 担当者の声

営業 塚越

営業塚越

ポストプロダクション設備構築のご支援をさせていただきました。
カズある編集機の中からAvidを中核システムとしてご選定いただき、お客様の見識と弊社の経験により、先端を行くファイルベースシステムを構築することができました。
今後とも制作担当者様からの日々のご指摘に真摯に対応していくことで、制作環境の向上に努めていく所存でございます。

システム設計/サポート 出水

システム設計/サポート出水

角川大映スタジオ様の編集システム構築には計画当初から参加させていただくことができました。当時のチームの実力以上が必要な局面もありましたが、ご協力とご配慮の下完成させることができました。
感謝の気持ちを忘れることなく、時代の変化も踏まえて次世代のシステムにも応えられるよう日々精進します。

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