熊本放送 様

EVSファイルベースワークフローで、制作時間を大幅に短縮

株式会社熊本放送(代表取締役社長:浅山弘康/熊本県熊本市)は、2007年より、スカパーJSATグループ各社が運営する「スカパー!」のJリーグ「ロアッソ熊本」ホームゲーム中継の制作を手がけている。「スカパー!」のJリーグサッカー全試合のハイビジョン放送切り替えを機に、EVS「XTnano」「XFly」を導入し、ファイルベースワークフローを実現した。
中継車のHDシステム構築に関わった 株式会社熊本放送 報道制作局 渡邉 広範 氏に、導入までのストーリーを聞いた。

VTR書き出し/取り込み時間による制作側の負担を減らしたい

SD放送時には、ハードディスクレコーダーを使って中継を行い、中継終了後、実時間をかけて映像をVTRに書き出して運用していた。その当時を振り返り、渡邉氏はこう話します。

『中継終了後に実時間をかけてVTR書き出しを行って、やっと編集室に持って行っても、ラージテープの取り込みができる編集機の数に制限があり、しかも完パケルームにその編集機があったので、深夜にしかVTR取り込み作業ができませんでした。翌日にオンエアがあったりすると、深夜に取り込みが終わってから編集して...と制作側の負担が非常に大きかったんです。

今回のHDシステム構築時には、こういった制作側の負担をできる限り避けようと思い、中継と収録が同時にできるものはないか?とずっと探していました。』

簡単に持ち運べる「XFly」で、VTR書き出し時間を削減

HD放送切り替え後の「スカパー!」のJリーグ「ロアッソ熊本」ホームゲーム中継では、3台のカメラ映像を「XTnano」で収録しながら、スロー再生、ハイライト編集/送出をしている。中継車には、「XTnano」の他に「XFly」が導入されている。
「XFly」は、EVSサーバとネットーワーク接続すると、XFly専用ソフトウェア「XFly Streamer」によって、EVSサーバ内のカメラ映像をリアルタイムにバックアップすることができる。収録バックアップストリームの数、フォーマット形式の選択も、この「XFly Streamer」で可能だ。これらの設定は、中継前だけでなく、スローオペレートの最中でも自由に変更できる。

熊本放送では、「XFly」のこの機能を活用し、「XTnano」と「XFly」をネットワークで接続した状態で設置し、「XFly」で「XTnano」の3台のカメラ映像をリアルタイムにバックアップしている。中継終了後は、編集室にある素材共有サーバへ、「XFly」をそのまま接続して素材をコピーしている。
5台あるノンリニア編集機(Apple社「Final Cut PRO」)はそれぞれ自由に素材共有サーバにアクセスして編集を行うことができる。編集後の素材は、夕方のワイドショーやスポーツニュース、ロアッソ熊本の応援番組『roasso magazine』などで放送している。

『持ち運びできる「XFly」のおかげで、中継後のVTR書き出しの時間は不要になりました。これは本当に大きなメリットだと思います。
また、ノンリニア編集機への取り込み時間についてもかなり削減することができました。例えば2時間半の素材の場合でも約1時間程度の時間で、「XFly」から共有サーバへコピーできるので、制作側の負担を大幅に軽減するワークフローが構築できたと思います。

また、制作側から「あの場面のあのアングルのカメラ映像が使いたいんだけど」といった要望を受ける時があるのですが、そのたびに中継車の電源を入れて「XTnano」の電源を入れて...といった大掛かりなことは全く必要なく、「XFlyに入っているよ!」とすぐに応えることができるのも助かっていますね。
「XFly」はRAID5構成なので、安定性についても満足しています。』と渡邉氏は話します。

ディファクトスタンダードの安心感とXFlyの可搬性

熊本放送では、「XFly」を活用したファイルベースワークフローを非常にスムーズに機能させているが、そもそもなぜEVS「XTnano」「XFly」でHDシステム構築を考えたのか、渡邉氏に聞いてみた。

『EVSが世界的なスポーツイベントで多く使われている有名なシステムであることは知っていました。ローカル局というのは、頻繁にシステム入れ替えはできないので、「安定性」「業界の標準システムであること」を重視していたので、EVSは候補の1つにありました。実際に現場でオペレーションをするスローオペレータからEVSを薦める声が非常に多く、そのことも影響していますね。
あとは、「XFly」などのラインナップも揃っていたからというのもあります。

「XTnano」の導入を決めた段階で、「XFly」も絶対導入しよう!と思っていました。私たちの局では、ロアッソ熊本のサッカー中継以外にも、少年野球などの収録モノがあり、時差送出もしなければなりません。それらの収録モノも、VTR書き出し時間が要らないファイルベースで制作に持っていけるようにしたかったんです。
可搬性の高い「XFly」なら、現場にサッと持って行って収録し、そのまま編集室に持っていけますからね。』

今後の展望について聞いてみると、『「XFly Streamer」の録画スタートが他の端末からできるようになると、便利ですね。予約収録機能も欲しいです。
可能ならば、チャンネルアップグレードもしたいですね。』と、渡邉氏は笑顔で話します。

(この記事は2013年09月27日時点の情報です)
株式会社熊本放送

株式会社熊本放送
1953年に開局した熊本県を放送対象地域とする放送局で、ラジオ・テレビ放送を行っている。
2007年より、スカパーJSATグループ各社が運営する「スカパー!」のJリーグ「ロアッソ熊本」ホームゲーム中継の制作を手がけている。

熊本県熊本市中央区山崎町30
http://rkk.jp

フォトロン 担当者の声

営業 宮澤

営業宮澤

制作現場をより良くしたいとのお客様の熱い思いを感じ、それに少しでも応えたい一心で提案をさせていただきました。実際に運用を開始され、今回のシステムがワークフローの改善につながったというお話をお聞きし、大変に嬉しく思っております。
今後もワークフロー改善につながる提案をさせていただければと思います。

システム設計/サポート 上野

システム設計/サポート上野

ファイルベース ワークフロー化の主目的は、導入/運用費用削減や機能/作業効率の向上などさまざまなので、実際のシステム設計ではそれらをバランス良く、さらに、シンプルさ(使い易さ)を加味するようにしています。
今回ご導入いただいたEVS社XTnano + XFlyの構成は、シンプルですがパワフルな例です。お客様に満足いただき、順調に運用いただけるように、今後もサポートしていきたいと思います。

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