テープからファイルベースへの転換で、コスト/作業時間を大幅にスリム化

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株式会社山口シネマ 様

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テープからファイルベースへの転換で、コスト/作業時間を大幅にスリム化

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株式会社山口シネマ(代表取締役社長 山口良成/東京都中央区)は、1925年に映画制作会社としてスタートして以来、競馬をはじめ各種レース用の映像機器の開発や映像コンテンツを制作してきた映像制作会社だ。

2014年、スポーツプロダクション4K/HDビデオサーバ「XT3」2式、プロダクションコントロール&メディアマネジメントシステム「IPDirector」1式、「XF2」1式を1システムとして搭載した中継車を3台、競馬中継に欠かせないレース映像コンテンツの制作用として導入し、ファイルベース化を実現した。株式会社山口シネマ 技術部技術課 設計担当課長 西田 隆司 氏、業務部ITV業務課 課長 関山 正義 氏に、導入から運用、今後の展望などを聞いた。

株式会社山口シネマ
業務部ITV業務課 課長 関山 正義 氏
株式会社山口シネマ
技術部技術課 設計担当課長 西田 隆司 氏

全国10場への機材輸送、収録準備の手間を削減したい

競馬開催時には、大きく分けて2種類のコンテンツ制作/配信が必要となる。競馬の公正性確保に必要なパトロールビデオ(審判映像)と、ITV(インフォメーションテレビ/以下「ITV」)と呼ばれる、レース実況やパドックの様子などを競馬場内の大型ビジョンやモニターに配信するファンサービス用映像だ。ITVは、場内大型ビジョンやモニターへの配信のほか、他の競馬場や場外馬券場、BSやグリーンチャンネルへの配信も行なわれる。

これらのコンテンツ制作は、東京や札幌など、全国10場の各競馬場の専用スタジオにあるビデオデッキ6台によるテープ収録と、HDDレコーダー2台の計8台により、収録されていた。『スイッチャー以外の機材は、20台近くあるカメラも含めて、ジェラルミンケースでトラック輸送していました。
4セットを全国で持ち回りし、開催地に輸送して接続・撤去作業をしなければならないため、毎回、開梱から機材設置、動作確認、そして、レース終了後には、また各機材の配線撤去、梱包と、大幅に時間がかかっていました。』と、関山氏は、当時を振り返る。

XT3の堅牢性と実績、マルチチャンネル対応が決め手

2012年、株式会社山口シネマは、20名以上のメンバーからなる社内プロジェクト「CIC(Cinema Innovation Construct)」を立ち上げた。
『機材劣化に伴い、新たな機材選定のプロジェクトを立ち上げました。4セットあった機材を、3セットに纏めて中継車に積んで移動したらどうか?と考えました。起死回生の一発、大胆な発想でしたが、これならコストをスリム化できますし、収録作業も効率化できると考えたのです。』と、関山氏は、プロジェクト立ち上げの経緯を話します。
さまざまな機材を検討するなかで、XT3を選んだ理由はなんだったのでしょうか?『機材を全部取り換えるわけですから、実績と安定性のあるサーバを求めていました。XT3をレンタルで使用したこともあり、オペレーションに慣れていたこともありますが、レンタル業者の方から「壊れたことがない」という心強い言葉を聞き、XT3なら安心だと思い、決定しました。また、2式のXT3を使えば、10入力/6出力が可能な点もポイントのひとつでした。』と、西田氏、関山氏は話す。

コスト/作業時間をスリム化し、競馬場運営を刷新

導入した3台の中継車には、「XT3」2式、「IPDirector」1式、「XF2」1式のほか、マスター素材収録用/バックアップ用にビデオデッキが搭載され、2014年7月に札幌競馬場で初運用された。続いて、2014年12月に中山競馬場、2015年1月に京都競馬場でも運用が開始された。

2式の「XT3」のすべての出力ポートは、1人のオペレータが「IPDirector」で操作しており、ダイジェストの作成にも使われている。「XT3」内のクリップがサムネイル表示され、使用したい素材をGUI上でドラック&ドロップするだけで再生準備が完了する。

導入後の効果について、西田氏、関山氏はこう話す。『今までは、ビデオデッキが5台も6台もあったので、4名のオペレータで操作していましたが、XT3の導入で、オペレータ2名で操作できるようになりました。中継車という限られたスペースでは、この人数で操作できることは大きなメリットだと思います。また、必要な機材はすべて中継車に積んであるので、接続作業も撤去も必要なく、レース開催準備時間が大幅に削減できました。

従来のテープと異なり、オペレーターは、2式のXT3内にあるクリップに自由にアクセスできるため、自分がどのサーバに繋がっているのかを意識せずに操作が可能で、作業時間の短縮にもつながっています。また、XT3のポン出し能力の高さはずば抜けており、現場でも非常に高い評価を受けています。』
『リモコン操作だけでは探しづらかったクリップを、IPDirectorで素早く見つけられるようになったことも、導入効果のひとつと言えると思います。IPDirectorは数多くのクリップをサムネイル表示できるので、その点が気に入っています。直感的に操作できるので、IPDirectorでクリップを作ってリモコンに投げるというフローで作業をしています。』
『中継車は全国を移動して使うので、全ての場の走路図やクリップなどが入っていると間違いが起きてしまいます。XF2で、ファイルバックアップが簡単にとれるようになり、その日に使う場のものだけを出し入れでき、ミス防止に役立っています。今後は、いかに社内で情報を共有して運用フローを確立していくかが課題です。』

(この記事は2015年08月07日時点の情報です)

導入製品

株式会社山口シネマ

株式会社山口シネマ 様

1925年設立以来、競馬、オートレース、ボートレースなどの競技運営を映像分野で支える映像制作会社。着順位判定システム、各種映像システムの提供のほか、場内TV放送を制作している。

本社:東京都中央区新川2-9-1

http://www.yamaguchi-cinema.co.jp

フォトロン 担当者の声

  • 営業 担当者より

    今までのVTRの置き換えとして、XT3とIPD、XFをご採用いただき、ご導入から初運用までとてもスムーズで山口シネマ様内のチーム力の高さに驚きを感じました。 今後は、ご導入の際に高くご評価いただいた堅牢性とともに、さらに競馬場でのエンターテイメント性高めるような映像演出の新しい提案をさせていただきたいと思っております。

  • システム設計/サポート 担当者より

    山口シネマ様は、機材選定デモの頃から毎回、多くの関係者の方々がお見えになり現場に即した使い方ができるかの確認、また要望も含めた貴重なご意見をいただきました。公正・迅速な対応が要求される環境で、高い品質の情報を提供する機材の一つとしてEVS社製品を選択していただけたことを嬉しく思います。これからもご期待に沿えるようサポートしていきたいと思います。

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